| ○2面ボス 凍てつく白刃 白雪 静山(しらゆき せいざん)〜Shirayuki Seizan |
|
種族:鬼 能力:氷点下を操る程度の能力 所持スペルカード 俄雪「鬼さんこちら」 童心「雪つぶて百本ノック」 往雪「氷山の一角」 考試「罷り成らぬ回生の賭け」 鬼神剣「空蝉 -暗暗裏の贖罪審判-」 十干の郷の現頭首である。 郷で大きな事件が起こったときや他国との交渉の際などは長として行動するが、普段は家でにゅうめんを食べたり、日記をつけたり、ふらふら出歩いては刀の試し斬りで遊んだりしている。 性格は基本的に柔和だが、興味を失ったものには容赦ない事や、法を破った者への懲罰が前頭首の羊谷よりも遥かに厳しい事などから郷の住民達には非常に恐れられている。 尤も白雪のようなおっかない妖でなければ、一筋縄ではいかない妖獣が蠢く十干の郷を統率する事は出来ないのだ。 白雪は元々は常世(とこよ)の民で、大国主に用心棒として雇われていた。大国主は古来より大神と深い親交がある。常に大国主の傍にいた白雪も、自然と大神と親しくなった。 ある日、大国主の眷族が現世(うつしよ)で1つ小さな国を創ったという。心配性の大国主は、白雪を国の護衛役として現世へ送った。 その国の名は、“十干の郷”といった。 大地を司り国作りの神として信仰される大国主、その眷族が創っただけあって郷の大地はとても美しく、現世の住民が生命を育み易い環境に整備されていた。 大国主のお守りに飽きていた白雪は此幸いとほくそ笑んだが、白雪以上に郷を気に入ったのが観光気分で付いて来た大神である。大神は郷へ下りたその日の内に「これから自分も現世に身を置く」と宣言し、“高天原”と名付けられた広大無辺な原野に社を拵えた。 白雪は「こいつが来ると平均気温が上がるから嫌だなぁ」などと思いつつも、旧友といつでも顔を合わせられる環境を素直に喜んだ。 犬飼の信仰が穢された事を、白雪はずっと知らなかった。 大神を氷漬けにするためには、甚大なエネルギーを必要とする。 氷に依拠する白雪の、天敵である太陽。その太陽の制御を失った熱が奔出するのを封じなければならないのだ。 長日月見守って来たこの小さな国を焦土になんてされたくない。 何より大神が愛した大地や自然や住民達を、大神自身の力で滅茶苦茶にする事など許さない。 白雪が少しでも気を抜けば、それは羊谷の結界など容易く喰い破って郷を包み込むだろう。 氷の身体を内側からジリジリ焙るような熱に耐え、白雪は岩戸の結界内へ力を注ぎ続けた。 今までと変わらない生活をなぞって、何の問題もないように悠然と振る舞いながら、日々首長としての責務を果たした。 そして、それが彼の精一杯だった。 頻繁に高天原へ出向き、狛犬や竜が“何かおかしい”事に気付くような、そんな余裕は残っていなかったのである。 雨が降ってやっと、高天原の異変に気が付いた。このまま放っておけば、大神が神でありながら涜神的な存在となって復活してしまう事は論を俟たなかった。 羊谷は、白雪同様大神の封印に力を使い込んで休眠に入っている。 ひとまず彼に知らせなければ…。 そうして羊谷の屋敷へ向かう途中、雲に乗った頭の悪そうな猿が目に入る。 その姿を見て白雪は驚いた。 今は懐かしいあの顔に、何とよく似ているんだろうか。 もしかするとこの少年と相対する事で、犬飼は神の在るべき姿を取り戻せるのではないだろうか? …それで駄目だったら、すぐに岩屋へ入ろう。 そもそも現世の民が背負うには、太陽はあまりに偉大で重すぎる。幼い狛犬に神の真似事を懇望し、高天原へ閉じ込めたのは自分だ。 邪神の誕生を阻止しなければ。例え炭すら残さず焼滅しようとも。 そう見通した白雪は、犬飼と戦う力があるかどうかを試してから猿野を誘導した。 結果的には、その判断は正解となる。…白雪の思惑とは、大分異なる形であったが。 ちなみに猿野をわざわざ羊谷の屋敷へ向かわせたのは、自分が行く手間を省くためである。 |