| ○日の陰のルポルタージュ 沢松 健吾(さわまつ けんご)〜Sawamatsu Kengo |
|
種族:人間 能力:幸せをぶち壊す程度の能力(猿野限定) 郷には数える程しか住んでいない、ただの人間である。 猿野の幼馴染であり鬼ダチ。貴族出身のため常識的で大人びた性格をしているが、猿野の影響からひょうきんで低俗な面も持つ。猿野と凪の仲を応援しながら妨害している。 生来人間と妖(あやかし)が共存する都に住んでいたため、十干の郷で暮らしてゆく事を最初は嫌がった。 十干の郷は、人間達には「人喰い妖怪がいる恐ろしい島」として狼藉者が島流しにされるような場所と認識されていたからである。 しかし実際来てみれば、豊かな自然に恵まれて気候も良く、凶暴な妖怪も滅多にいない。調理法さえ知っていれば食べるものには困らないし、水もおいしい。野生に近い環境と思いきや大陸で滅びてしまった技術があちこちで発展していたり、管理体制も意外に整っていて最低限の法や秩序はあるという。 スペルカードルールは非力な沢松にとっては震恐ものであったが、決闘の申し込みを断れば大抵の妖怪は引き下がってくれたし、やんちゃな妖獣に絡まれると猿野が勝手に何とかしてくれた(余計面倒事にする場合も多々あったが)。 沢松は十干の郷にすぐさま愛着が湧き、猿野と共に凪の長屋に住まわせてもらう事に決めた。 十干の郷で必要物品を調達するためには、2つの手段がある。 1つは、必要物品を所持する者にスペルカード戦を申し込んで決闘に勝利し奪い取る事。 もう1つは、純粋な等価交換をする事である。決闘が不得手でこちらの手段を選ぶ者は、何らかの職を持っている場合が多い。 凪の家には治療の謝礼品や求愛の貢ぎ物が常に溢れており、贅沢を望まなければ3人分の生活を賄うのに充分事足りた。 しかし、その環境に甘えるのは男としてあまりに情けない。 それに都の貨幣経済生活が染み付いているせいか、何の労働も課せられぬ暮らしはどうしても落ち着かなかった。 弾幕ごっこでの物品調達は端から頭にない。毎日気侭に郷を飛び回る猿野を尻目に沢松は、自分に出来る事はないかと仕事を探している最中である。 猿野が異変解決の武勇伝をクドクドと語り聞かせる唯一の相手が沢松だ。話が膨れ上がって大袈裟になっていたりもするが、長年の付き合いでその辺のさじ加減は理解している。 つまり沢松は、郷に起こった異変の真相を客観的に知る唯一の存在である。 今は猿野が広めたがらないが、いつかは郷の住民に、そして凪に、猿野の奮闘をちゃんと知ってやって欲しい。 時が来たらみんなに見せてやろうと、猿野に聞いた話は密かに帳面に書き留めている。 |